50.コリキ吠える、ハチどうする?!
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  50. コリキ吠える、ハチどうする?!
 
ハチはコリキと目をあわせたまま、どうしていいかわからず動けずにいた。タマもどうしていいかわからずにいた。

「ハチ、ハチ聞こえるかい?ハチ…後ろの木に飛び乗るんだよ!」

レオンが叫んでいる。ハチはレオンの声が遠に聞こえた。何を言っているのかよくわからない。足も震えて動けない。

「…どうしよう、僕はどうしたらいいんだ。怖いよ父さん。」

タマもハチに向かって叫んだ。

「ハチしっかりするんだ、そのままじゃコリキに捕まるぞ!」

「ハチ、お願いだから木に登るのよ!」

この様子を見てシロちゃんも堪らず叫んだ。すると、突然大きな呼び声が聞こえてきた。

「ハチ、木登りしたじゃない、忘れたの?」

植木の影から飛び出しハチの背中に体当たりしたのはキジコだ。そして、すぐさま近くの木に登って見せた。コリキがまた吠え出した。

「ハチ登ってきて!」

コリキが吠えながら飛びかかった。その瞬間向きを変え、思いっきり地面を蹴って木に飛び登った。

「ハチできるじゃない。」

キジコがハチに嬉しそうにすりよった。

「僕、木に登る事が出来たんだ…。できたんだね。」

下を見下ろすと、コリキがハチとキジコに向かって吠え続けている。

白玉は嬉しそうに木に登っているキジコとハチを見つめた。コリキは吠え続けている。すぐには諦めそうにない。猫達は吠え続けるコリキがその場所から早くいなくなれと身を丸くしていた。しかし、それはすぐに解決した。コリキの飼い主が現れたのだ。

「コリキ、又逃げ出したな困った犬だ!!」

怒りながらおじさんんがやって来た。

「探したんだぞ!」

コリキは急に静かになり、おじさんに向かって尻尾を振っていた。そのままリードを付けられ引っ張って行った。

「よかった、もう帰ったのか?」

レオンが植木の間から顔を出し、歩いて行くコリキとおじさんの姿が見えなくなるのを確認した。

「行ってしまったぞ、大丈夫そうだよ。」

猫達は、用心深く確認し植木の影から出て来た。キジコとハチも木から下りた来た。安心した猫達は家へ帰っていった。
                        
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